子どもへの影響を重視し、当事者の声を真摯に受け止め、区立谷原保育園廃園計画は撤回を!!

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2月8日の一般質問でも取り上げた区立谷原保育園廃園計画の問題。(詳細は島田拓区議のブログを参照してください http://shimada-taku.com/?p=1165

3月2日の予算特別委員会でもこの問題を追及しました。
区が廃園の理由としている「老朽化」の根拠もなく、「在園児が卒園まで居られることが何よりも子どもたちへの配慮」という勝手さ。しかも今までの委託・民営化の段取りも踏まない乱暴なやり方は、新たな民営化の手法といえるのではないか。今後の区立保育園にも関わる重大な問題です。

 

◆小松あゆみ 266ページ、保育所維持運営費に関わって、谷原保育園の廃園計画についてお聞きします。一般質問での、「なぜ大きな負担をかけてまでも廃園を行う必要があるのか」というこちらの問いに区は「老朽化が進行、将来の安定した保育の提供には課題があった」との答弁でしたが、その課題とはどのような課題があったのか、その根拠を教えてください。

◆保育計画調整課長 築55年が経過していることから施設、全体的に老朽化が進行している。近い将来、その対応を行うことが課題となっていた、施設の劣化状態については日常点検・法定点検により把握し計画的に対応しており、現状において安定した保育の提供に影響はないところ。保育園については園運営に支障がないよう改修を行っていく必要があるため、谷原保育園については外壁、屋上防水工事、機械設備など劣化状況により部分的に複数年にわたってこうした改修を行ってきたところ。

 

◆小松あゆみ そういったことは、保守や維持管理であって、他の園・施設でも行っていることだと思います。将来的な安定した保育の提供に課題があるということはどの施設でも手を加えなければ安全性に問題が出てくることだと思う。それでは建物の倒壊の可能性をみる上で、重視すべきは「耐震性」だと思いますが、区立施設は保育園を含め、構造耐震指標Is値が0.6以上で、耐震化率は100%と、全て耐震性に問題はないとのことです。そのうえで今後の区の取組として、「引き続き、不特定多数が利用する区立施設等については、 大規模改修等に併せて、Is値0.75以上への耐震化を目指す。」としています。では、谷原保育園の構造耐震指標Is値はいくつなのか。お答えください。

◆保育計画調整課長 区立園含む区立施設は全て耐震化の法定基準0.6以上を達成しているところ。耐震だけが老朽化とは思わないが、谷原保育園については耐震診断によりIs値0.77であることを確認している。

 

◆小松あゆみ 谷原保育園のIs値は0.77ということです。Is値0.6以上のものは震度6強以上の地震がきて壊れたとしても倒壊の可能性が低い建物になっているということですし、老朽化が課題として廃園の理由とするには根拠にはなりません。
それから、谷原保育園の保育士さんたちからはこれまで何度も、改修など区に要望してきたが、軽微な修理さえ認めてもらえなかったのに、突然「老朽化が課題だから廃園」というのは、ほんとに驚いているという声も聞いています。谷原保育園と築年数も変わらず、谷原保育園よりも構造耐震指標が低い園もあるなかで、谷原保育園への対応には到底納得いきません。そもそも老朽化のみを理由に区立保育園を廃園したことがあるのでしょうか。

◆保育計画調整課長 まず先ほども答弁したが、谷原保育園についてはここ10年の間にかなりの頻度で屋上防水工事とか電気機械設備など劣化状況により部分的に改修を行ってきたところ。区はこれまで待機児童対策により保育園の定員拡大に努め、改修・改築にも取りくんできたことから区立保育園を閉園してきたことはない。

 

◆小松あゆみ そうですよね、これまで老朽化を理由にして廃園にしたことは無かったし、老朽化が課題であれば、大規模改修や建替えを行えば良いことです。それから、谷原保育園廃園計画について、用地を取得できたから、土地が見つかったから、といいますけれど、廃園と民間の保育所誘致がセットで行われることから、これは事実上の民営化だと思いますが、いかがですか。

◆保育計画調整課長 基本的には今回示している計画については民間保育所の誘致と区立保育園の閉園であり、現在区が進めている高野台保育園の民営化とは異なる。区有地への民間保育所の誘致については今回と同様にこれまでも民間の力を活用し保育サービスの充実を図ることを目的として取り組んできたものである。谷原保育園の閉園時期についてはR4年度入園児を含む在園児が全員卒園するR8年度末を目途として、在園児は全員卒園迄保育を受けることができる計画となっている。

 

◆小松あゆみ 今まで区が進めてきた民営化とは違いますと仰いますけどそれは方便だと思います。事実上の民営化です。区はこれまでの委託・民営化についても、「民間の力を活用することで、保護者の多様なニーズに応え、サービスを充実すること」と言ってきました。谷原保育園廃園についても、「民間の力を活用し、保育サービスの充実を図るため」といっています。民間園を誘致して区立園を廃園にすることと、区立園を委託・民営化することと、一体何が違うのでしょうか。それは民営化ということだと思います。
さらにこの計画について区は、「閉園時期は在園児に配慮し、在園児が全員卒園した後のR8年度末を目途とする」といいますが、子どもたちが卒園した後であれば、さも影響がないかのように説明しています。実際は、2023年度からは段階的に入園募集を停止するわけですから、園児は毎年減っていき、転園を希望する家庭があればクラスの人数は少なくなってくることも予想されます。一方で転園を選択するということも、全く環境の違う保育園でお友達も先生も慣れない人ばかり…と、谷原保育園に残っても、途中で転園しても、いずれにしても子どもの環境変化、子どもへの影響は大きいものだと思います。区として子どもへの影響についてどう考えるのか。お答えください。

◆保育計画調整課長 繰り返しになるが、そもそも今回の計画素案については子どもたちへの影響に配慮して計画をしたもの。R4年度入園児を含む在園児が全員卒園するR8年度末を目途として、在園児は全員卒園まで保育を受けることができる。また、異年齢交流などについても今後区として検討いく考えを持っている。また、R4年度入園する1歳児については谷原保育園で卒園できるが保護者の希望により誘致する民間保育所に転園できるものだ。転園する子どもたちがスムーズに新しい保育園に慣れるよう民間保育所の運営事業者と協議していく考えである。

 

◆小松あゆみ 異年齢保育をやるんだ、ということでしたけれど、それは谷原の在園児が年々少なくなってくることへの対応策のつもりなのですか。子どもへの影響が大きいからこそ、区立保育園の民間委託の際に、区立園の保育士と事業者の保育士が一緒に保育を行う、1年間の引継ぎ保育を行ってきたのではないですか。もちろん、私たちは1年間の引継ぎ保育だけで子どもへの影響を回避できるものとは考えてはいませんが、子どもにとっての負担を少しでも軽減するものだったと認識しています。
そしてその異年齢保育は、日々の保育での交流なのか、運動会などの行事においての交流なのか…いずれにしても異年齢交流などが子どもへの影響に配慮するものとなるのか、はなはだ疑問です。
区は、これまで委託計画を公表した3回のうち、2回目3回目の公表では3年~6年前には委託対象園となる園を公表、そして本委託3年前には委託説明会を行ってきて、コロナの感染が拡大してからも教室型で説明会も行ってきたときいています。コロナの感染拡大のさなかに教室型の説明会を行ったことやコロナ禍でも当初の予定通りに委託を進めてきたことには異論はありますが…、かつて私自身も委託対象となった園の保護者でしたが、保護者の有志で委託について学習したいと区にお願いしたら、説明にも来てくれた。私たちは、委託・民営化に対して反対ですが、今にして思うと当時の区のやり方はまだ誠意はあったと思っています。それなのに、今回はその段取りすら踏んでいません。保護者が説明会を求めているのにその要求にも応えていません。
そして民営化についていうと、これまで区は委託園の中から実施するとしてきました。しかし谷原保育園については、民営化の段取りも踏みませんでした。これは新たな民営化の手法といえるのではないか。私たちは大変危惧しております。いかがですか。

◆保育計画調整課長 先ほどから答弁しているが、谷原保育園、いまの在園児が谷原保育園で最後まで保育を受けることができる、これが区としては何よりも子どもたちへの配慮と考えている。引き続き保護者のご意見を踏まえて谷原保育園の運営については考えていきたいとは思っている。これがまた新たな手法の民営化ではないか?といったご主旨の発言だったが、繰り返しになるが今回の計画については、老朽化した区立保育園の閉園と区有地への民間保育所の誘致である。今回の計画素案では築50年以上で大規模改修が未実施の保育園については必要な修繕を行いながら周辺の保育園の整備状況や保育ニーズなどを勘案し、今後の方向性を検討すると示している。今後計画素案の成案化に向けて取組み、この計画に基づいて検討を進めていきたいと考えている。先ほどから答弁しているが、今回の計画については委託化でも民営化でもない。また谷原保育園の保育を引き継ぐ民間保育所が、谷原保育園の保育を引き継ぐわけではない。

 

◆小松あゆみ こういったやり方を推し進めるのならば、谷原保育園と同様に築年数が古く大規模改修をしていない園についても今後、谷原保育園と同様に廃園となり得ると考えざるを得ません。続けます。
区立保育園60園のうち、いままでに委託をしている園、これから業務委託するとしている保育園名を挙げている園を除くと区立直営園は20園です。
これまで区立直営園は、特別な配慮や医療的ケアが必要な子どもを受け入れる、また地震や水害などの自然災害時に一時的に保育が必要となった子どもを預かるなどの保育のセーフティネットとなり得ます。区立直営園は運営が安定していることや職員は比較的ベテランが多いことなどの特色を活かした役割、また公立施設である区立直営園のあり方についての議論もないままに、突然に廃園するような乱暴なやり方は許されません。
障害児保育については、区立園では97%の園が受け入れていますが、私立園では43%と受け入れが進んでいない状況です。私立園で障害児保育が進んでいないのはなぜでしょうか。また、進んでいないなかでも、谷原保育園の近隣に誘致する民間園も区立園と同じ定員3名とするといっていますが、民間の園に対して、しかも事業者も決まっていないなかで、そのような縛りが可能なのか。2点、伺います。

◆保育課長 私立で障害児の受け入れが進まない理由について。障害児の受け入れに当たっての一番の課題はまさに保育のノウハウ、つまり園における障害児の受け入れの経験にあると考えている。受け入れ経験の少ない園から不安の声も多数いただいていたので、今年度から私立の認可保育所への障害児保育の巡回指導を開始しているところ。社会福祉士や臨床発達心理士といった専門家が実際園の現場を訪問・巡回して現場の職員を直接支援しているところ。こうした取組みを続けていくことによって今後私立園における障害児の受け入れも拡大していくものと考えている。

◆保育計画調整課長 これまで谷原保育園においては地域における障害児保育のニーズに対応してきたことから誘致する民間保育所の事業者募集にあたっては、障害児保育は区立園と同じ定員3名を条件とする考え。募集にあたってはその条件に対応できる運営事業者から応募があるものと考えている。

 

◆小松あゆみ ノウハウが足りないということに対していま巡回指導を行っているので今後は障害児を受け入れられる園が増えてくるというような考えかもしれませんけれども、区は、保育サービスが後退することはないと言い切りますが、障害児保育において、私立園では区立園ほど受け入れが進んでいないことからも、鳥取・佐賀・三重では公立保育施設を活用したコロナ対応の代替保育が行われている。災害だけでなくコロナなど感染症流行時の公立保育施設を活用した代替保育の実施の可能性についても考えると、区の保育のセーフティネットとしての役割が弱体化するのではないかと考えますが、改めて区の見解を伺います。

◆保育計画調整課長 あたかも区立園を閉園することによってセーフティネットが弱体化するのではないか、と仰ることが理解に苦しむところだが、現在区内の認可保育園190園のうち、130園は私立保育園。これまで利用者の視点に立って延長保育や産休明け保育など、先頭を切ってサービスを充実してきたのも民間保育所。保育所は社会インフラであって区立園だけでなく私立園もその役割を果たしており、使命感を持って運営が行われている。区立園だけでなく私立園もセーフティネットと考えている。そもそも今回の民間保育所の誘致と区立保育園閉園については障害児保育の定員3名を確保したうえで延長保育などのサービスを充実するもの。

 

◆小松あゆみ 私たちはいつも、区立園だけが良くて、私立園が劣っているということを言っているのではなくて、今回の谷原保育園のことに関して言えば、谷原保育園を建替えて存続したうえで近隣に私立園を誘致すれば良いじゃないかと言ってきているんです。続けます。来年度、谷原保育園に入園を希望し申請をした人は約100人と聞いています。そして現在5,360筆まで集まっている谷原保育園保護者らの陳情署名には「多くの親が多数の園を見学し、悩み、検討した上で保育園の希望を出している、新規園への転園は優先的に行うと説明されても立地のみで保育園を選んでいるわけではない」と谷原保育園の存続を求める切なる想いが込められています。この署名は現在、約9,000筆集まっていると、また区長あてのネット署名も集まっていると聞いています。谷原保育園の保護者のみなさんは、「今回の廃園の通知は極めて一方的、かつ子どもたちのことをないがしろにしたものだ」「安心して子どもたちを預けられる区立保育園の維持を強く求める」と訴えておられます。こうした保護者の想いを区としてどう受け止めますか。

◆保育計画調整課長 今回の民間保育所の誘致によって新たに延長保育や0歳児保育を実施し、地域の保育サービスは充実するものと考えている。引き続き理解を得られるよう取り組んで参りたい。在園保護者に対しては引き続き丁寧に対応していく必要があると考えている。これまで在園保護者に対しては、生産緑地取得の過程で昨年11月にお子様の卒園後に閉園する考えをお知らせし、個々の質問にも対応してきた。計画素案の公表後においても谷原保育園に関する個別の説明会を12月に3日間開催し丁寧に説明してきた。保護者の意見を踏まえてR4年度に谷原保育園を入園を希望した方へ個別に周知を行い希望園の変更に応じ、今後異年齢交流などについても検討する考え。パブコメに対する回答については現在準備をしているところだが、引き続き在園保護者には丁寧に対応していきたいと考えている。

 

◆小松あゆみ この谷原保育園廃園の問題は、これまで委託を容認するような方からも「あまりに酷い」という声が出ていたり、「今回のようなやり方が推し進められるのであれば、行政への不信感や保育園のことに限らず練馬区で生活していることへの不信感をかきたてるものだ」という声もあるほどです。子どもへの影響を重視し、当事者の声を真摯に受け止めるならば、谷原保育園の廃園、事実上の民営化計画は撤回すべきです。

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